FC2ブログ

落語の独演会 その2  人情噺に、涙腺がゆるむ・・・

 会場は初めて入ったがなんと狭苦しい会場に小さな座布団付のパイプ椅子が並べ
られ、隣の方と肩が触れ合うほどのスペースの自由席が200席ほど。
 比較的早かったので前から5列目に陣取るも、息苦しいうえに、斜め前には東北の
英雄である阿弖流為像と思しきがっりしたお姉さんと男性のカップルが何度もその上
品そうで大きなお顔でぺちゃくちゃしゃべりながらヌッと後ろを振り返る。
aterui.jpg
 
 人間の性とは恐ろしいもので、ついつい気になり怖いもの見たさでその度ごとに視線
が合いそうになるのがことのほか辛く。
 その隣には知人のためなのか自分の持ち物を座りもしない席に載せて場所を確保す
る夫婦連れ。なので、少々イラッとしつつも普段から娘に「お父さんは気が短いから気を
付けるように」戒められていたのでぐっと我慢しつつ開演を待つ。

 6時30分開演

最初の出し物は誰もが知っている古典の
《寿限無》

 生まれた子供がいつまでも元気で長生きできるようにと考えて、大家から縁起のいい
言葉を幾つか紹介され、どれにするか迷った末に全部付けてしまった、という筋書き。
 もともとは、腕白に育ったその子が近所の子供とけんかをし、殴られてこぶを作った
子供が父親のところに言いつけに来てやり取りの中で長い名前が繰り返されるうちに、
こぶが引っ込んでしまった、というのがサゲ。

 喬太郎のサゲはそれにもうひとひねり加えて、大きくなった寿限無…が結婚して初め
ての子に自分の名に懲りて短い名前を付けようとしたが命名の場に間に合わず、つい
てみたら寿限無…ジュニアになっていた、というもの。

で、二つ目は新作の《胸焼け手術》

  医者に行くといきなり手術され、内臓を全部摘出されて、代わりの内蔵の準備ができ
ていないため綿を詰められてしまう。
 そんな状態なのに医者からはとりあえず大丈夫と言われて快気祝いに友人たちと酒
を飲む。
体内の綿にサケのアルコールが染み込み、そこで吸った煙草の火ダネを吸い込んで
しまい、体内の綿に引火してしまう。あまりの熱さに七転八倒する男に友人がどうした
かと聴くと、「いやあ、胸焼けがする」というサゲ・・・。

中入りのは古典の人情噺
《文七元結》

 左官の長兵衛は、腕は立つが無類のばくち好きが高じて仕事もせずに借金を抱えて
いる。年の瀬も押し迫るある日、前夜の負けがこんで、身ぐるみ剥がれて半纏一枚で
賭場から帰されると、女房のお兼が泣いている。聞くと、娘のお久がいなくなったという。
どうしたのかと、夫婦喧嘩をしているところに吉原の女郎屋から使いのものがくる。
娘のお久がそこの女将の所に身を寄せていると。

 着るものがないので女房の着物を取り上げ羽織って角海老へ行ってみると、お久は、
身売りをして金を工面し、父に改心してもらいたいので、お角のところへ頼み込んだの
だという。
 女将は、自身の身の回りをさせるだけで店には出さないから、次の大晦日までに金を
貸してやるが、大晦日を一日でも過ぎたら、女郎として店に出すという約束で、長兵衛
に五十両の金を渡す。

 改心した長兵衛が、帰り道に吾妻橋にさしかかると、身投げをしようとしている男にで
くわす。
訳を聞くと、鼈甲問屋の奉公人(文七)で、お遣いに頼まれ、取りにいった売り上げをす
られたので、死んでお詫びをしようというところだった。死んでお詫びを、いや、死な
せねぇと押し問答が続いた後、長兵衛は、自分の娘のお久が身を売って五十両を工面
してくれたことを話し、その金でお前の命が助かるのなら、娘は死ぬわけではないの
でと、無理矢理五十両を押し付けて、逃げるように帰ってゆく。

 文七がおそるおそる主人卯兵衛の元に帰り、長兵衛からもらった金を差し出すと、それ
はおかしい、お前が遣いにいった先で碁に熱中するあまり、売り上げをそっくりそのまま
忘れてきてしまったものを、先方は既に届けてくれて金はここにある、一体どこから、
また別の五十両が現れたのかと、主人が問いただすと、文七はことの顛末を白状する。

 翌日、卯兵衛は何やら段取りを済ませ、文七をお供に長兵衛の長屋へと赴く。実は文
七が粗相をやらかし…と、事の次第を説明し、五十両を長兵衛に返そうとするが、長兵
衛は、江戸っ子が一度出したものを受け取れるか!と受け取らない。もめた挙句に長兵
衛ようやく受け取り、またこれがご縁ですので近江屋とも親戚付き合いをと、祝いの盃を
交わし、肴をと、表から呼び入れたのが、近江屋が身請けをしたお久。後に文七とお久は
恋仲になり、夫婦になって近江屋から暖簾を分けてもらい、元結いの店を開いたと。

 最近の話題も巧みに取り込んで、猪瀬都知事が都知事選で徳洲会から金を受け取った
ことまで笑いに換えるなど大いに笑って、最後はほろりとさせた。

 人生いろいろでつらいことや悲しいことを経験しながら老年に差し掛かったこの身、
若いころと比べて数段涙もろくなってこういうたぐいの映画などを見ると涙腺がゆる
みっぱなしなのはわかっていたが、落語の人情話で瞼がジワリジワリするのには、参
った参った・・・。

 ところで柳家喬太郎師匠、テレビではたまにBSに出ているがあまりその落語自体に魅
力は感じていなかった。見たところ御髪は真っ白、恰幅もよいのでかなりの年輩とは思っ
ていたが、なんと干支で一回り下のお歳、汗だくの熱演に良い意味で期待外れの独演会
となった。おかげで終わったころには阿弖流為風のドヤ顔のこともすっかり忘れていた。
 パイプ椅子会場とはいえ、当日券3,000円、予約2500円でチケットも格安、ぜひとも
再び来秋の折にはまた聞いてみたいもんだと。
         縮小IMGP0372

 ちなみに昨年は落語、歌舞伎、狂言などいろいろなものを見に行ったが今年はこの一年
は絵画鑑賞と映画鑑賞のみで古典芸能はほとんど行けなかった。落語も昨秋の『桂文枝襲
名披露公演会』以来一年ぶり。
 なので、今年の締めに行こうかと。で、28日には『立川志の輔独演会』のチケットも購
入済み、さて志の輔師匠はどんな落語を聴かせてくれるだろうか・・・。

テーマ : 日々のつれづれ
ジャンル : 日記

プロフィール

ひぐらし仙人

Author:ひぐらし仙人
■現 況:世知辛い現代を愚痴りつつのスローライフ 
■年 齢:遅れてきた団塊世代
■住まい:東北 鳥海山北麓の小都市
■趣 味:
・花と野菜づくり
・熱帯魚飼育
・写 真
  PENTAX K20D K-5Ⅱs
  Nikon 1 J1(W)ダブルズーム
交換レンズ
   ペンタックス 18-135mmF3.5-5.6ED AL[IF] DC WR 18-270mmF3.5-6.3ED SDM
    FISH-EYE 10-17mmF3.5-4.5ED[IF]  35mmF2.8MacroLimited
      DA★300mmF4ED[IF]SDM        シグマ APO50-500mm
   タムロン SPAF90mm
  O-GPS1
  三 脚SLIK724PRO
VelbonULTRA Maximini
   …年数はやたら長いが全く上達せず
・愛犬シェルティとのウォーキング
・料理
・天体観測用に屈折望遠鏡2本、反射望遠鏡1本、セレストロンAdvanced VX赤道儀三脚・自動追尾装置・追尾用電源装置など数十万円分を数年前に揃えたのに未だに観測できていない無駄遣い大好き人間、欲しい方に安価で譲りたいのだが・・・

ようこそ我が家へ
リンク
カレンダー
10 | 2013/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
今日は何日?
潮見表
由利本荘沿岸の潮汐
日本列島の天気予報
カテゴリ
人気ブログランキング
人気ブログランキングへ 人気ブログランキングへ 人気ブログランキングへ 人気ブログランキングへ 人気ブログランキングへ
blogram投票ボタン
日本ブログ村 ランキング
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ スローライフへ
にほんブログ村 花ブログ 季節の花へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ デジタル一眼(PENTAX)へ
読んでます
メール歓迎

名前:
メール:
件名:
本文:

スピッツ名曲集
むすめの好きな…


presented by スピッツYoutube

マンスリーひぐらしウォーク